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Drastically Repeat Yourself !!!!

半年間テックリードをしてみての振り返り

年末なので振り返り記事2段目です。

Overview

今回は現職で今年の7月から半年間テックリードをやってみての振り返りをしてみたいと思います。

前提

僕について

  • キャリアの中でリードという立場でチームを作ることになったのは初めて。
  • Covid-19 の影響で初めてリモートを前提として仕事を進めるようになった。
  • 技術的に尖っているわけではない。サーバーは一通り開発できるし、フロントもかじったことはあるけど専業ほど詳しくはない、っていう感じ。 いわんや、モバイルアプリ周りの知見はほぼゼロ。

テックリードの役割について

  • おそらく会社ごとに責務は異なっていると思うのであくまで現職での話がベースであること。

Good & More

Good & More という形で振り返ってみます。
ちなみに形式としてはいわゆる KPT ですが、Problem がどうしても多くなり Keep が出づらいという話もあるので、いいこと及びもっとよくなること、という分類でやってみようと思います。

Good

  • チームで仕事することをより強く意識するようになったこと。
  • 事業ロードマップを意識するようになったこと。
    • ロードマップが決まる時点での情報や会社の動きなど、現場レベルから2レイヤーくらい上の動きに敏感になりました。
    • 自分の意思決定に関わる事象は大なり小なりキャッチアップするようになりました。
  • コミュニケーションを意識するようになったこと。
    • 仕事のほとんどは意図がバッチリ擦りあってるかどうかで決まる、ということに気づいたのでここに自分のリソースの大半を全集中してました。
  • 本格的にプロジェクトマネジメントについて考えるようになったこと。
    • いい方法はいまだに模索中。
    • この半年に限ってはWF(ウォーターフォール)形式を採用して進めましが、いい面の方が多かったです(あくまでツールの選択の話です。)
  • 役割をはじめに明確化したこと。
    • テックリードとしての役割の定義、チームに対して期待することを初期に明文化してました。こういうことをできるようになったんだなと自分で驚きました笑
    • これをやっていたからかはわからないけど、非同期の活動を当たり前のこととして、リモートにうまく対応できました。

More

  • 事業について
    • 実行の速度が落ちることがあったな、と思っています。
      • 現場レベルでの実行力・施策遂行の練度についてはまだまだ改善の余地があるなーと。いくつか Todo にも落とし込んでることがあるので実施していきたいと思ってます。
      • 「全員が王騎になる (= 単騎で戦局を変えてしまう)」くらいを目指したいなーとか妄想してます (※1)
  • コミュニケーションについて
    • ある程度フォーマットを決めていましたが、どうしてもすり合わせに時間がかかりました。
      • 個人の自由度を縛らない程度にコミュニケーション方法や報告内容もフォーマット化したほうが余計なノイズが減りそうな気がするので来年トライしてみたいと思っています。
      • コミュニケーションについては「答えじゃなくて観点を共有する」ということを前職時代の上司が言っていたのを思い出したので、これを実践していきたいなーと思っています。
  • 自身について
    • 発言大丈夫だったのか問題
      • 元々口がきつい、あんまり人の話を聞かずにサッと片付けてしまう方なので、ちゃんと話を聞くこと、そして意図した通りに伝わっているか?ということに結構神経を使いました。まだ不十分だなーと思ってるので来年も継続したいです。そして気を遣える程度の余裕を常に持っていたいです。余裕がなくなると気を遣えなくなるので。
    • もっと技術的にチャレンジできたのではないか?
      • Advent Calendar にも書きました(※2)が、ある程度できたと思う一方で、個人のスキルアップ的な意味でも少し技術的なチャレンジ要素をもっと入れていきたいなと思っています。
    • 事業のことを考えていたか?
      • 100% というと嘘になりそうです。どうしても目先の事業より技術的な改善なり、回ってはいるけどちょっと厳しい運用の改善なりにフォーカスしたくなってしまったなーと思っています(職業柄)この辺の折り合いをどうつけるかについてはまだ模索中です。

※1. コードギアス好きな人向けに説明するなら「戦術が戦略を凌駕する」ってやつですね!

※2. 以下のエントリです。

medium.com

やってみての所感

いくつか感じたことはあるんですが、大きなものとしては「視座の変化」と「実行へのコミットメント」というところが自分の中でも大きく変わりました。

まず一つ目について。 こういうことをいうと恥ずかしいのですが、僕は Good に書いてあるようなことの中でも、特に事業に関連することなどは実は今まで全くと言っていいほど意識したことがなく、業務の中で自分の担当するタスクを大なり小なり自分で順序立てて仕事を進めているような人間でした。 事業に対して俯瞰的な視野を持つようなことを明確に求められているわけでもなかったので、そもそも意識することが必要だったのか?と言われると正直そんなこともなかったとは思ってますが、まぁ目の前の技術的な課題をひとつひとつ解いていくことを主眼に仕事をしていて、事業全体を把握しながら業務にコミットするような動き方をしていたか、と言われるとそうじゃないな、というのは事実としてありました。

ただ、自分がチームを作っていくという立場になって初めて、上の方も見てるとちらほら出てくる「めんどくさいあれこれ」的なものがいい感じに隠蔽されてたことを知って、歴代の上司の皆さんには頭が下がる思いでいます。
考えたくもないこと(プロダクト開発の邪魔になりそうなこと)で脳みそのCPUが食われたり、MTGに呼ばれ続けて気づいたら夕方みたいな生活を送っていると「自分が今までどれくらい守られてきたのか?」ということを痛感しました。

次に二つ目について。 この半年は常に「実行」について考えていた半年でした。施策を前に進めるには?ということを考えることが多くて、前に進まないブロッカーはなんなのか?取りこぼしてるボールはないのか?といった障害になりそうなものを早めにキャッチして適切にボールを回すと言ったことにコミットしてました。ともすると思考のノイズにもなるので、結構疲れましたが、どこでボールが溢れそうになるのか、溢れないためにはどうすればいいのか?、そもそもボールどこにある?と言ったことに目を向けるようになって、ロードマップの推進を上手い感じに俯瞰してみれたり構造的に捉えることができるようになったのは良かったです。

あとやってて気づいたんですが、「前に進んでる実感」がないと人間は確実にダレます。僕がそうだから余計にわかります。
これに割と早い段階で気づけたことは良かったです。僕が元来飽きっぽい性格だからですかね。
途中で、あかんこれは飽きる!みたいな謎の危機感が湧いてきたので、施策を進める中でエンジニアリング領域の改善作業を入れ込むモチベーションにもなりました。

来年に向けて

初めてのテックリードということもあり、僕は自分が手慣れていたウォーターフォールを採用してプロジェクトの推進を行っていました。

手法自体はなんでも良かったのですが、役割自体が初挑戦で不確実なことが多く、その不確実性に対して割く自分の時間がわからなかったので、極力意識そのものをテックリードとしての役割に傾けたかったというの理由です。

外部サービスとの連携だったり、ステークホルダーが多い中で仕事をすることが今年は多かったのでこの進め方が比較的ハマりましたが、来年バリバリ改善してく系も入ってくるので、完全にウォーターフォールによることなく、案件によっては少しアジャイル的なエッセンスも入れていきたいなと思っています。

まとめ

Good & More という形で振り返りをしてみましたが、自分としてはポジティブな半年間になったと思います。 振り返ってみて気づきましたが思ったより Good の方が多くて、自分のことを少し褒めてあげたくなりました。

「立場が人を作る」とは使い古された表現にはなりますが、まさか自分がそんな風になるなんて思いもみませんでした。
このこと自体はこうしたチャンスをもらえない限りずっと視座が低いままだったので、負荷はかかるけど視座を上げてもらえるような仕事をさせてもらえたことは感謝です。

またリモートワークが前提となったことは最初は厳しかったけど自分自身の常識のアンラーニングには非常に寄与してくれました。

リモートワークだからこそ、

  • よりチームで仕事をすることを意識する。
  • 物事を前に進め続けていかないと、チームの雰囲気が停滞してしまう。

と早い段階で気づくことができたことはよかったです。

僕自身は初めてのリードという立場でもあったので、チームで活動するためのいい感じの潤滑油になれればいいなくらいに最初は思ってたんですが、今年最後の振り返りでチームメンバーからポジティブなフィードバックをもらうことができたので、この点についてはある程度はできたのかなと思って自信になりました。
振り返りでの Good に起票されたこれは素直に嬉しかったです。

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総じていいチャレンジができた半年でした。
来年は潤滑油にとどまらず、ガソリンにもなっていきたいなという謎な目標を明言してこのエントリを締めたいと思います。