『お金2.0』を読んだので、ちょっとした感想をメモって起きます。
感想
帯やamazonの説明文、レビューコメントを参照した方が内容をざっと俯瞰するにはいいと思うので、ここで詳しくは載せませんが、それなりにこれからの経済のあり方がわからない人向けに丁寧に説明されている書籍でした。
普段から本書で述べられている内容に触れている身としては若干冗長さも感じつつも、改めて丁寧に説明されることで「ああ、確かに」とか「こういうことだったのか」といった知識の再確認やモヤっとしていたところが整理された感覚があり、すごくリズムよく読むことができました。
一方で「評価経済」「トークン/シェアリングエコノミー」に馴染みのない方には、正直何をいっているのか多分わからないのでは?的な感想を抱いてます。
そんなこと考えてたら、著者のTwitterでも似たようなことを呟いてて納得しました。
「お金2.0」は年代によってリアクションが全く違くなる本。お金に対する考え方は社会の成熟度と生まれた環境で全然違うため。35歳以上でこの本の内容がスッと入るのはけっこう特殊な人である印象。仮想通貨とか触れてなければ何言いたいか全く意味不明で、バラバラな話をしているように感じるはず。
— Katsuaki Sato (佐藤航陽) (@ka2aki86) 2018年1月6日
なので「わかりやすくてシンプル」と「バラバラで散漫」っていう真逆の感想が同時にあり得る内容になってる。縞模様を寄り目で見ると違う絵が浮き出てくる3Dアートみたいに。それだけ「お金」って存在が人によって違うものに映ってるということでもある。
— Katsuaki Sato (佐藤航陽) (@ka2aki86) 2018年1月6日
「お金」っていうキャッチーなフレーズを使っているので、内容が全然お金関係ないじゃんと思ったり、経済の枠組みや、歴史的背景といった内容まで一気に飛躍したりと書籍の中であっちにいったりこっちにいったりを繰り返しているのですが、今までいわば価値の王様として絶対的だった「お金」というものが、これから少しずつ変わってくるのではないか、ということが言いたかったのかなと思います。
これからは「お金」の意味も変わってくるし、国家が管理している経済以外の枠組みで色々な経済が生まれてくるだろうし、その各々の経済でエコシステムが成り立つだろうということは僕自身なんとなく感覚的には感じていました。
正直なところ。本書を読んだからといって、明日から何かが変わるとかということは一切ないと思います。
学術書ではないので、何か専門的な知識が身につくわけでもありません。
ただ、これからの経済を考える一つの観点を提供している書籍だと思います。何か新しい概念が出てきたときに、歴史からみてどうしてそういった概念、サービス、仕組みが現れてくるのか、それを俯瞰して、大きな流れの中の一つの点であるという観点を持つことができるようになるくらいのことだと思います。
お金っていう言葉が非常にキャッチーだし、内容の中でも、これからのお金の考え方そのものが変わってくるという趣旨の内容がメインなので、それにちなんだタイトルになっているのかなとも思いますが、個人的にはは「経済2.0」といってもいいのかもしれないと感じてます。
これからの経済、エコシステムを考えた時に、単一のエコシステムだけではなく、エコシステムにも多様性と、どのエコシステムで生きるのか選ぶ自由が出てくるのであろうという知識なり、一つの世界の見方、観点を持っておくことで、もし本当に本書で述べられているような時代が来たときに、面食らうことなくスムーズに受け入れることができるのではないかなーとかそんなことを感じながら本書を読み終えました。
評価(信用)経済とかシェアリングエコノミーとかトークンエコノミーとか、言葉だけ聞いてるとそれぞれ別物に感じるけど、根本は同じなのかなぁ。今後は色んなところで経済(エコシステム)が生まれて、それぞれで独自の発展をしていく、一方で使う側はどのエコシステムで暮らすのか選択できる感じ。
— Ema😎☃️ (@ema_hiro) 2018年1月7日
多様化した経済(エコシステム)相互の間にはインターフェース(I/F)が存在して、評価(信用)を通常の法定通貨に変えたり、法定通貨を使って仮想通貨買ったりと、各エコシステム間で、価値変換できる窓口があるのが今後の世界観なんだろうなぁ。
— Ema😎☃️ (@ema_hiro) 2018年1月7日
とすれば、エコシステムの間を繋ぐI/Fが力を持つことになりそうで、それが今で言う仮想通貨の取引所だったり、メルカリみたいなC2Cサービスだったりするんだろうか。お金の流れを把握する主体が分散しているとも取れるし、これはもはや避けられない流れになってると感じる。
— Ema😎☃️ (@ema_hiro) 2018年1月7日
自分でも不思議なくらい、読み終わった後に色々感が混んでしまってました。
頭の中が整理された一方で、またさらにふわふわした、モワッとした思考を延々繰り返してしまっています。